[レビュー]『The Mother/パッション』アン・リード/ダニエル・クレイグ

ヒゲもぢゃ、オビ=ワン仕様のダニエル・クレイグが拝める英国映画「The Mother」。

鑑賞から1ヶ月ほど経ったので、少し衝撃が薄らいできた模様。

この作品、主人公は60代の女性(アン・リード)。娘の不倫相手でもある、自分の半分くらいの年齢の男性(これがダニエル)と関係を持つことになる。

これぞ「英国映画」と言える内容&展開なだけに、ハッピーエンドのお手軽ハリウッド作品が好きな人にはあまりお勧めできない作品。

「この2人、ラブラブになるの?♪どーなるの♪」なノリで観ると、多分そのエンディングにちょっとお通夜モードになるかも。

自分自身、ダニエルを愛でようと意気揚々と再生したものの、内容の重さに当初の「ダニエル♪」な気分がえらく沈んでしまった…(苦笑)

ということで、以下ネタバレ全開。(ネタバレが嫌いな人はお戻りを)

ちなみにR指定で、なかなかリアルなシーンがありますので、18未満の方はお断りですよん(^_^;

warning ネタバレ注意!18歳未満鑑賞NG

『The Mother/パッション』感想

あらすじ

主人公Mayは郊外に夫と暮らす60代の女性。ミドルクラスで、夫が彼女が外に出るのを望まなかったのもあって、専業主婦として息子と娘を育て、友人などもほとんどいない様子。

既に独立、結婚した息子とシングルマザーとなった娘はロンドン暮らし。息子の家にお呼ばれし、タクシーや電車を乗り継いで到着した息子の家。都会暮らしの息子は仕事が傾いているらしく、両親を歓迎する暇もなく仕事へ。カシミアのショップを開いた息子の妻は、お腹が空いたらドリアをチンして食べて、と言い残してこれまた仕事へ。

広い家に残されたのは、取り残されたMay&夫と、家の増築を息子から請負い大工仕事に精を出していたDarrenだけ。

その晩、息子の家から20分ほどの距離に住む、シングルマザーとなった娘を訪ね、家族水入らずで久しぶりの晩餐を楽しんだMayと夫。しかし、夫はその夜、突然体調不良を訴え帰らぬ人に・・・・・

茫然自失のまま「家」へと帰ったMayだが、夫のいない家と、未亡人として始まるこれからの生活-「老いの日々」への心構えや覚悟がまだ固まらず、結局、息子とともにロンドンの息子の家へと戻ってしまう。

明らかに歓迎されていない空気の息子夫婦の家。しばらく放心状態で散歩をした後、娘ポーラの家へ向かうも、大都会ロンドンはMayには複雑すぎる。散々迷い心細い思いをした挙句、ようやく辿り着いた娘の家では、娘が暖かく歓迎してくれる。

夜、出かけるから息子(Mayの孫)の面倒を見てくれると助かるといわれ、ベビーシッターとして居候を始めるMay。

深夜、隣の部屋から聞こえるうめき声に起き上がって出て行くと、そこには息子の家を増築していたDarrenとポーラの姿が。どうも2人は付き合っているらしい。

「父が死んだ夜くらいそばにいて欲しい」と言うポーラを振り切り、出て行くDarren。眠れずにソファでワインを傾けるポーラ。

Darrenには妻がいて、夫婦生活は破綻しているものの溺愛している息子がいるため離婚できずにいる。とポーラから聞いたMayは、さっさと別れる事を勧める。揺れるポーラ。

昼間、息子の家で時間をつぶしていたMayは、増築工事を行っているDarrenを観察。最初は「娘をたぶらかす不倫相手」として見ていたが、軽食の準備をしたりするうちにいろいろとDarrenと言葉を交わすようになる。

「I'm frightend・・・」 何をどうしたらよいのか分からない。怖い。今はまだ亡き夫と過ごした「home」へ帰れない。Darrenに自らの困惑をポツリと語るMay。

外で昼食を取らないかとDarrenに誘われ、軽いlunchの後に「見せたいものがある」と有名な人物(誰だったかど忘れ)の墓&墓に刻まれたポエムを見せられるMay。

元々美術が好きだったらしいMayはDarrenと打ち解け、川辺の散歩をDarrenと楽しむ。水辺を歩いていた時にバランスを崩したMayは咄嗟に手を出したDarrenに支えられ、抱き合う形になったまま、Mayは無意識のうちにDarrenの唇に自らのそれを重ね、はっと我に返って去っていく。

ある午後、遂にMayはDarrenに2階の部屋へ一緒に上がって欲しいと頼み、受け入れたDarrenと性的関係を持つ。

ポーラ主催のwritingサークルで、妻を失くした老齢の男性に声をかけられても、今ひとつ気が乗らないMay。

幼少から自分は愛されていないと感じていたポーラは、自分が離婚したのも人生がうまく行かないのも、Darrenのような男に惹かれるのも全てMayのせいだと口走る。

Darrenとポーラの付き合いは変わらず、娘ポーラとDarrenが共にいる姿を正視できなくなっていくMay。

ビジネスが傾いていた息子はDarrenに増築させている家を売りに出すことを決める。

Mayが描いたスケッチブックから、MayとDarrenの関係を知ったポーラは、Darrenが離婚に同意して明日から自分のフラットで一緒に暮らし始めることになったから、出て行くようにとMayに告げる。

定職がないため安定した収入がなく、離婚したら息子の親権が取れないDarrenはドラッグにまで手を出し、Mayの「お金なら私が持っている」という言葉を頼りにするも、そのお金はただDarrenに与えられるものではなく、Mayと共に乗る飛行機のチケットだと言われ激昂。

最後に、Mayは「もう怖くないわ」と告げて、1人「home」へと。

老い、自分の役割、人生。年を取れば悟りを開けるワケじゃない

"I'm frightened."

突然先立った夫。それぞれの生活に忙しい娘と息子。

夫の気配の残るロンドン郊外の家で、共に暮らす人もなく、たった1人でこれからの「老いの人生」を突然生きていかなければならなくなったMay。

"I can't go back home."

今はまだ、「home」に帰れない。

これからの「home」での生活に準備が出来ていない。

外の世界と関わること、家族以外と親密な人間関係を築くことを嫌った夫の下、閉ざされたhomeで子供を育て上げ、夫の面倒を見てきたMayが「女」としての自分を意識したのは、汗を流して大工仕事に精を出すDarrenを間近で見たからなのか・・・

あ、いかん。ダニエル祭blogでシリアスな感想になりそう(^_^;

結構シリアスな感想は、映画ブログにupしてたので後で発掘して持ってきます。

で、ここはひとつ、ぷりちーなbottomを披露してくれてるダニエルだけに焦点を当てるように頑張ってみます。←そこか!

CRほど筋骨隆々ではないものの、大工仕事で上腕筋モリッが目に映るので、やはり綺麗に筋肉(と脂肪)が付いてるダニエル。

2階の客用寝室(暫定的にMayの部屋)で、「オレに触りたい?触っていいよ」とゆっくりMayに近づいていくあたり、「さ、さわっていい?触らせてっ(><)」と心の中で叫んでしまうオナゴは多いかも(笑)

ふぁさっと脱いだTシャツの下から現れるは・・・・「レイヤーケーキ」よりは丸めのbody(*^^*)(観てから時間が経ってるのでうろ覚えですけど)

Darrenにはポーラという同じくらいの年齢の彼女(Mayの娘)がいるので、若人同士のHには不自由していない模様。

だからなのか、最初にBed in した時はひとまずMayを満足させることに終始していたような・・・・

右肘を肘枕にし、左手1本でMayを刺激するDarren・・・(わぉ)

「カジノ・ロワイヤル」の、『僕の小指が~』のくだりを思わず思い出してしまったり~~

こ、このテクニシャンめっ!

「見せたいものがあるんだっ!早く早く」と某有名人の墓に刻まれたポエムを見せたがるDarren。

墓場に着いた時にやっと、Mayが先日夫を失くしたばかりだということを思い出して「あぁぁぁぁ・・・なんてオレはバカなんだっ」と呻く姿が(^^; 早く気づけ。

いはやは。どこまでも「a kind man」なのです、Darrenは。少なくともMayに対しては。

突然夫を亡くして茫然自失、「独りで生きていく老いの人生が怖い」、と怯えるMayは心配。

自分の手&体でMayは「女」の部分を取り戻して溌剌としてくる。自分の母親ほどの年齢とはいえ、自分がMayの慰めになっている、彼女を支えている、と思えることは悪いことじゃない。

コトが終わり、バスルームで顔を洗うMayは一皮剥けたようなすっきり顔。そんなMayを扉のところから見守るDarrenは優しい顔。(ズボンのみ履いてます・笑)

DarrenのMayへの想いがどんなものなのか・・・・。

「お金ならあるわ」とDarrenのために使えるお金があると言ったMayなので、金づるを失うわけにはいかないと思ってMayを気にするのか、身体がつながったことでそれなりの情がわいたのか。

ある晩、Darrenが家に遊びに来てくれて嬉しいポーラは、早いとこ2人きりになりたくて、母親のMayに「母さん、もう寝る時間じゃない?(彼と○○するから早く寝て)」とそれはもう分かりやすくMayを追い出します。

が、(嫉妬からか)素直に眠りにつける自信がなくて「散歩してくる」とMayが家を出てしまうと、「えっ?Mayはどうしたのっ?」と、Darrenは明らかにMayの行動が気になる様子。

いきなりそわそわ。じゃれるポーラを少々邪険に。(でも、DarrenがMayを気にしていることに気づかないポーラ・笑。ポーラは邪魔者(May)がいなくなって、やっと2人で蜜時間を過ごせることしか眼中にない)

Mayが描いたスケッチから、Mayがhaving himと気づいたポーラは、writingの会でMayを気に入ったおじーちゃんブルースをMayにあてがい、「Wデートに行きましょう!何か不都合ある?」と強引にWデートをセッティング。Darrenと濃密にひっついて、Mayに「Darrenはあたしのものよっ!母さんにはブルースが釣り合うでしょ!」と強烈にアピール。

「あたしとDarren、母さんとブルースで別行動を」と引き離したがり、Mayの前でDarrenとdeep kiss&ハグ。 それを受けながらも、どこかMayが気になるDarren。絡みつくポーラを剥がそうとし、それにまた苛立つポーラ。そして、見せ付けられてjealousyいっぱいになり、自分で自分がコントロール不可になるMayはブルースを置いてその場から逃亡。

娘の恋人、自分の半分くらいの年の男。

もちろんMayには「彼は私の男よ!」なんてことは言えず・・・でも、嫉妬の炎がメラメラメラ。

そんなMayを見ながら(気にしながら)、暴走ポーラを止められないDarren。おろおろ、ハラハラ。

↑このあたり、ダニエルがばっちり。揺れる優柔不断男(笑)

その後、探しに来たブルースに半ば強引に家に連れて行かれ、Bed in するも、ブルースのHは一方的。Darrenのように満たしてくれるものではなく、自己嫌悪や失望etcがない交ぜになるMay。

寝床にしているポーラの家に帰ったら、なんとドアにはロックが。。。。

「Darrenが離婚を決意して、あたしたちは明日から一緒に住むことになったの。だから、母さんはもう出て行って」

ポーラの言葉にショックを隠せないMay。(この辺、順番が入れ替わってる恐れあり。見直すには重くて、記憶が曖昧なままです)

しかし、離婚成立なんて話はどこにもなく・・・・

ポーラを幸せに、とMayに言われて追い詰められるDarren。

金がない。仕事がない。

「そうだ、May、お金があるって言ったよね。僕にそのお金をくれるって言ったよね」

「お金はあるけれど、あなたにあげるのは、あなたと私が一緒に乗る飛行機のチケットよ」

「チケットだって?!・・・ふざけるなぁぁぁっ!」

激昂して暴れるDarren、なす術なく震えるMay。自分が作って自分が破壊したサンルームに座り込み、泣きじゃくるDarren。(←ダニエル、泣きますよ~)

  • 何もかもが上手くいかない。
  • 仕事がない。
  • 定職についてないから収入がない=離婚しても息子の親権が取れない。
  • ポーラは「奥さんと離婚してあたしと暮らしてよ!」と迫る。
  • その母親Mayとは体の関係を持ってる。
  • Mayと関係があることがポーラにばれたらしい。
  • 頑張って作ったサンルームは家ごと人手に渡る。
  • ドラッグでもやらなきゃやってられない。

・・・・と重なれば「なんでオレがこんな目に遭うんだよ~-!なんで金がないんだよ~!」と荒れたくなるのも不思議ではないですが。。。。

ボンドのインタビューか何かで、その作品が「過去の作品のように感情的になるシーンがなかったから楽だった」みたいなことをダニエルが言ってました。「The Mother」でもこのシーンで大暴れしてましたから、やっぱり激しい感情表現はそれなりに消耗するんですかね。

"You can have him."

夜、疲れたようにMayに言うポーラ。
Darrenが離婚しないことなんて分かってた。

詫びたいと思うMayにポーラが望んだこと。

"I want to hit you."

↑ビンタかと思ったら、

恐るべし、男を巡る女の恨み。(Darrenのことだけではないかもしれません。積年の想いもその拳にこめられてたかも)

女同士も拳で片をつけるのか(^^;

頬に痣を作ったMayは、翌日荷物をまとめて"home"へ帰ります。

旅立つMayを駅まで見送る人は・・・・皆無。

ポーラはMayに背中を向けてDarrenに「治療を受けろ(ドラッグのこと?)」と迫り、Darrenは立ち去るMayに視線を投げるも動かず。

息子は玄関ホールで"Bye"と手を振り、嫁は「お義母さん・・」と一瞬気にするも、赤ちゃんが泣き出したのでこれまた階段で"bye"。

独り帰途につくMay。
久しぶりの我が家。

エンディングは、パスポートを片手に旅行に出かけるMayの姿でした。

そもそも、現結婚生活を完結させていないくせにポーラ(およびその他)と関係を持ってる時点でDarrenは道徳観念だの貞操観念はない人物でしょう。

Darrenに触れてもらえた事で「自分もまだ捨てたもんじゃない」「ただの老いぼれじゃない」意識を新たにしたMayも、良いことだとは思っていなくても、Darrenを2階へ誘うことをやめられない。

Darrenみたいな男はやめろ、きっぱり別れろとポーラに言い続けているのはほかならぬMayなのに。

母は兄だけを大事にしていて、自分は注意を払ってもらったことがないと思っているポーラは、その屈折が引き金となって先の結婚生活が破綻し、今またDarrenのようなどうしようもない男と付き合ってしまっている。(と思い込んでいる)

ドロドロの人間関係。

人物&環境設定がどこにでもあるようなものだからリアル。

(DarrenとMayのような関係はどこにでもあるわけじゃないでしょうけれど)

誰もが問題を抱え、特に救済されることのなく終わる話。

ただ、最初は"I'm frightened"と途方に暮れていたMayが、息子の家を去る少し前に"I'm not frightened any more"と言い切っていました。息子やDarrenがいる場でこの言葉を口にしますが、「怖い」と心中を漏らしたのはDarrenにだけだったので、特にDarrenに向けて「もう怖くないの」と言いたかったようで。

少なくとも、Mayは一歩抜け出せたんでしょうね。

「座ってしまったらもう動けない」と、homeに留まることを嫌がってロンドンの息子の家に再び帰ったMayです。

そのhomeに、「もう怖くない」と言い切って帰り、その後、ただ家を守り庭の手入れをするだけの「今後の生活」ではなく旅行に出かけられたわけですから。

DarrenとMayの営み、Mayが描いたスケッチで結構リアルに表現されていました(^^;
Darrenも、「その可愛い$#%で~」と、生々しい言葉を口にするシーンが。

リアルすぎるとエロさが半減、生々しさがUP・・・・(^^;;;


UK版DVDには特典映像でダニエルとアン・リードその他監督etcのインタビューが入っています。

アン・リードの聞き取りやすい英語に比べ、ダニエルのインタ・・・。はっきりきっぱり話さんかいっ!

え~ん。聞き取りにくいよぉ(T-T)急がなくていい。まとめて分かりやすく話してくれ(号泣)

US版DVDには、監督の解説が入ってるらしく・・・

結局US版も頼んでしまったわたくし。解説くらい入れてくれよ、UK版にも。

はぁ・・・

思いっきりネタバレのレビューでした。

細かいところを見直したいと思う反面、happyな気分が残る作品じゃないからちょっと躊躇。